2017-01-01から1年間の記事一覧

学校から仕事へのスムーズでもなく、間断のないこともない移行

honto.jp 執筆者のお一人からお送り頂きました。ありがとうございます。問題意識は次のように示されている。 若年層の教育および職業キャリアをめぐる状況は近年大きく変容してきたといわれる。広く社会的にも話題となっているフリーター・ニート問題のみな…

会社勤めをしていた頃

(1) 新卒で入社して、4月には早速、翌年実施予定の持株会社化・分社化に向けてのタスクフォースに人事部若手として参加、同時に、給与・社会保険料計算手続きの手伝い、新卒採用の手伝い、前年度人事考課・賞与計算と人事関連管理会計についてはいきなり…

工業高校とイノベーション

honto.jp 筆者は、大阪府内の工業高校(中等教育)において長年勤務し、そこで、「課題研究」や課外活動を通じて、学生(二宮注:生徒のことだろうか)とともに実践し、これまでに10を超える発明に至った。特許などは基本的に公開して、実際に民間企業で実用…

「社会を知る」キャリア教育

honto.jp ナカニシヤ出版様よりお送りいただきました。ありがとうございます。類書との違いは「社会を知る」というテーマが、全体の3分の1ほどを占めていることである。最近はそうではないキャリア教育のテキストは増えてきてはいるものの、かつて大学生が読…

科研プロジェクトの情報

大学における新しい専門職に関する研究 - 大学教育学会2017年度課題研究集会2017.12.3発表 科研を頂戴して進めているプロジェクトの情報につきましては、こちらのウェブサイトに掲載しています。 現在、聞き取り調査を継続して進めています。また、質問紙調…

Cherrystone Clam

「大学第一世代(First-Generation)」という言葉がある。両親の最終学歴が高校段階以下である大学生の抱える固有の困難に着目する概念である。主に米国でこの困難についての「問題」が「発見」されて、場合によっては必要な支援を行うという対応が図られて…

反「大学改革」論のイベント

honto.jp 『反「大学改革」論:若手からの問題提起』について、宣伝を3つさせてください。 1.ナカニシヤ出版『反「大学改革」論:若手からの問題提起』刊行記念トークショー 渡邉浩一さん✕井上義和さん✕坂本尚志さん “大学の現状について語り合いませんか…

高等教育機関「国際化」と「英語プログラム」

東アジアにおける留学生移動のパラダイム転換―大学国際化と「英語プログラム」の日韓比較作者: 嶋内佐絵出版社/メーカー: 東信堂発売日: 2016/03メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見るかつての勤務校で、「グローバル30」に応募する準備をした…

学内FD:ポートフォリオの活用・アクティブラーニング

先日、医学部保健学科の「教育ワークショップ」において、ポートフォリオの活用とアクティブラーニングをテーマとしてお話しさせて頂きました。保健学科の皆さまのお時間を頂戴いたしましてありがとうございます。 当日の内容は次のとおりです。 1.自己紹…

国立大学教員数(続編)

衆議院議員河野太郎公式サイトに掲載された国立大学教員の給与総額について、平成13年度が最大値で、平成25年度まで継続して減少、その後やや増加するという経緯を辿ることができる。では、具体的にはどのようなことが生じていたのだろうか。 図1は教員数の…

国立大学教員数―増えた分野はどこか

www.taro.org 衆議院議員河野太郎公式サイトに掲載された国立大学教員数に関して、実感に合わないというお声を複数聞いた。そこで、私なりに整理しなおしてみた。 表1は3年ごとに実施される「学校教員統計調査」のうち、「大学等の部―教員個人調査―年齢区分…

大経コース@東大研究会

本日は東京大学大学院教育学研究科大学経営・政策コースの研究会「大学のマネジメントに関する勉強会」にお招き頂きました。各大学の職員さんや若手高等教育研究者が集う会で、私はとても勉強になりました。ありがとうございました。私がお話ししたのは、6月…

鍵のついた書籍を読み上げる時代からの長い伝統を持つ講義法について

講義法 (〈シリーズ 大学の教授法〉2)作者: 佐藤浩章出版社/メーカー: 玉川大学出版部発売日: 2017/06/27メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る待ち望んでいた書籍が出版された。たとえば、これまでアクティブ・ラーニングに焦点を絞…

「若者論を読む」勉強会

群馬大学 2017年度「若者論を読む」勉強会 毎月1回90分程度、「若者論」に関する自主的な勉強会を行っています。群馬大学の学部生、大学院生なら誰でも参加できます(自主的な勉強会の単位取得は関係ありません)。 これまで、趣味縁からはじまる社会参加 (…

『反「大学改革」論』本が出ます

6月中旬に『反「大学改革」論:若手からの問題提起』が刊行されます。 (出版社さんから掲載許可を頂いた書影です) https://honto.jp/netstore/pd-book_28478516.html (honto:本の通販ストア) 本書の趣旨と問題意識 「これから大学はどうなっていくのだ…

研究プロジェクトのウェブサイト

大学における新しい専門職に関する研究科研のプロジェクトのサイトをつくりました。研究成果等の発信を行う予定です。 「第三の領域」についてどちらかというと研究者の立場からみているという限界があるので、職員からみたそれについては不十分であることが…

絶望かもしれないけど運動するよ(春の若者論三本勝負最終戦)

春のひとりで若者論を読む企画、第3回(最終回)である。2017年3月に発売されたばかりの新刊を読む。思いつくままに感想を書く。整理された文章ではなく恐縮である。社会運動と若者:日常と出来事を往還する政治作者: 富永京子出版社/メーカー: ナカニシヤ出…

第2新卒の状況についてのもやもや

この数年、調査先の企業でいわゆる第2新卒を積極的に採用しているというお話しを伺う機会が度々あった。確かに、第2新卒に特化した転職情報サイト(たとえば、https://re-katsu.jp/career/)や、同じく特化した有料職業紹介サイト(たとえば、https://mynavi…

2017年度『若者論を読む』勉強会の開始

学内の一部でお知らせしているとおり、5月上旬から「群馬大学2017年度『若者論を読む』勉強会」を開始します(自主的な勉強会のため単位取得は関係ありません)。第1回の説明会は終了しましたが、参加者は今後も随時募集します。学内の掲示を確認してくださ…

テイストの社会学(春の若者論三本勝負第二戦)

社会にとって趣味とは何か:文化社会学の方法規準 (河出ブックス 103)作者: 北田暁大,解体研出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2017/03/25メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (3件) を見るこれも同じく講義で学生に読んでもらうために…

広尾、麻布十番、六本木、今日はどちらに下りるか

二十一世紀の若者論―あいまいな不安を生きる作者: 小谷敏出版社/メーカー: 世界思想社発売日: 2017/02/25メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る講義で学生に読んでもらうために購入、その予習として勉強した。しかし、筆者が冒…

無果汁ゼリーってよく置いてあるよね

これは大学1年生の晩夏のできごとである。その年は記録的な猛暑で、一人暮らしの部屋の電気代を節約するべく、クーラーのあるアルバイト先にお給料も出ないのに居続けたり、児童書しかない市立図書館分館に入り浸ったりしていた。大学にはパソコンルーム以外…

塾講・サイバラ・大学祭

学部生の頃、多摩地区の進学塾で「時間講師」のアルバイトをしていた。池袋に本社のある、W中高に強いWという塾である。時給はかなり高く、授業時間外勤務分は無給であり、かつ、それが授業時間よりも長いという実態であったことを差し引いても―現在よく問題…

黙り込む教授その2

せっかくなので、以前の勤務校で担当した授業「大学での創造的学び」に関して、その授業を行いながら記録を取っていたノートの一部を公開してみよう。Kennedy Schoolよりは、到達目標が僅かばかり見えやすくなっているといえるだろうか。ノートをそのまま転…

テストってなんだろう

テストは何を測るのか―項目反応理論の考え方作者: 光永悠彦出版社/メーカー: ナカニシヤ出版発売日: 2017/02/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見る出版社からご恵贈頂きました。ありがとうございます。 何かを測定したり評価したりする際には繰り返…

黙り込む教授

http://wol.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/122400041/021500020/この記事で紹介されているKennedy Schoolの授業が、以前私が日本工業大学で担当していた「大学での創造的学び」に似ているという指摘を知人の研究者から頂いた。 以下、記事の引用である。 「…

年齢とコーホート

研究室の段ボールを片付けていたら、こんなもの(コピー)が出てきた。一橋大学前期自治会講義教官評価委員会、1995、『講義教官評価93総集編:一橋大学における学生主催の講義評価の試み』(頒価350円)いまはそうは言わない「教官」という言葉が時代を感じ…

群馬大学に着任しました

2月1日付で群馬大学に着任しました。所属は学術研究院で、大学教育・学生支援機構教育改革推進室の主担当です。一橋大学、岡山大学、日本工業大学、茨城大学を経て5校目の勤務となります。これまでの高等教育研究、勤務先における各種の企画や実践をふまえつ…

学校教員の仕事について丁寧に考える

お送りいただきました。ありがとうございます。依然として教師論は(も)不勉強なので、しっかり読む所存でございます。日本の教師、その12章―困難から希望への途を求めて作者: 久冨善之出版社/メーカー: 新日本出版社発売日: 2017/01/15メディア: 単行本こ…