2010-01-01から1年間の記事一覧

先日、一橋リアル熟議に関する自主ゼミを行いました。私のレジュメの一部を転載します(希望者には現物を配布しています)。「『限界』を指摘してもらわないとわかりません」という東大生に対するサービスでもあります。 リアル熟議の目的が、当初の企画案ど…

忘れられた日本人 (岩波文庫)作者: 宮本常一出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1984/05/16メディア: 文庫購入: 49人 クリック: 366回この商品を含むブログ (215件) を見る休日を利用して、「土佐源氏」の地域における「ばくろう」(馬喰)について調べている…

自主ゼミの日時はすでに決定しています。関心のある方は、私宛てに連絡して下さい。事前に読むべき文献があります。 その文献とは別に、「教育と政治」を考えるための導入的な文献を紹介します。現代日本の政治―政治過程の理論と実際作者: 岡田浩,松田憲忠出…

自主ゼミの件は、日時の調整中です。関心のある方は、私に問い合わせ下さい。 自主ゼミの開催を提案してから、潮目が大きく変わりつつあるように見えます。それまでは、批判的な教員とやらに対して反論のための文章を書いてやるとか、こんな教員に憤りを感じ…

この問題をテーマとして、自主ゼミを行いたいと思います。開催日は、12月20日〜27日のいずれかで調整してみます。1冊、テキストを指定します(副大臣が引用しているテキストはすでに企画者間で会読が済んでいることを前提として、それらとはまた別のテキスト…

昨日の「リアル熟議への疑問」を読んだ学生のみなさんから、決して就活のためではないというツイートを頂きました。とりあえずは、そのつぶやきを信用します。 この信用を裏切らないことを望みます。 ただし、ある学生のインターンシップについての言及は必…

http://jukugi.mext.go.jp/library_view?library_id=308 「リアル熟議」が私の身近で開催されるようです。しかし、私は強い懸念を持っていて賛同できません。 その理由は複数あるのですが、大きなものとしては、第一に、文科省(または鈴木副大臣)の言う「…

図説 教育の論点作者: 久冨善之,山崎鎮親,長谷川裕出版社/メーカー: 旬報社発売日: 2010/12メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 41回この商品を含むブログ (7件) を見るお手伝いした本が刊行されました。子ども・若者、親が直面している困難について、わか…

Student Union of the University of Helsinki を訪問しました。写真はヘルシンキ中央駅近くにある、建築140周年を迎える学生組合の建物です(現在のオフィスはこの建物の隣りにあります)。来週、この建物についての anniversary party が行われるとのこと…

Student Union of the University of Helsinki

Helsinki Metropolia University of Applied Sciences を訪問しました。写真は訪問したヘルシンキの校舎ですが、エスポーとヴァンターにも校舎があるとのことです。昨今の中教審の職業大学構想、70年代に日本の高校の校長会から提案されていた職業大学構想の…

Helsinki Metropolia University of Applied Sciences

Twitterを眺めていると、時おり面白い応答がされていることがある。 どこかの大学の職員さん 「成績は、相対評価と絶対評価があります。GPAを導入する場合、相対評価にするのでしょうか?」 某省庁で働いている、GPAに思い入れがあるという係長さん 「素点で…

大学教育のあり方についていろいろと喋ったり書いたりしているわけだが、それらに関連して他学部の教員から、「貴方はカントを読むべきだ」というアドバイスを頂戴してしまった。公共性 (思考のフロンティア)作者: 齋藤純一出版社/メーカー: 岩波書店発売日:…

先日のエントリをご覧になった方から、「大学におけるゼロトレだ!」というつぶやきを頂いた。私にはあの制度がゼロトレであるという理解は必ずしもなかったので、あらためてゼロトレの特徴を確認しておく。 排除型社会―後期近代における犯罪・雇用・差異作…

資本主義の多様性―比較優位の制度的基礎作者: ピーター・A.ホール,デヴィッドソスキス,Peter A. Hall,David Soskice,遠山弘徳,安孫子誠男,山田鋭夫,宇仁宏幸,藤田菜々子出版社/メーカー: ナカニシヤ出版発売日: 2007/08メディア: 単行本 クリック: 13回この…

たまには、楽しい話しもしてみたい。 私が大学1年生だった頃、どうしても第2外国語(今で言う初修外国語)のドイツ語を勉強する気にはなれませんでした。当時、第2外国語は2年生まで必修で、とても気が重い勉強でした。そもそも語学や海外の文化にあまり関心…

ベック来日記念連続シンポジウム 10月31日(日)、兼松講堂において、著名な社会学者であるウルリッヒ・ベック教授が講演をされます。ベックの「危険社会」論や「個人化」論等、数々の論文は、現代の日本社会を理解するうえで極めて示唆的です。私は大学院生…

先週、1年生向けにGPA関係の説明会が行われました。対象となる学生であるにもかかわらず、欠席してしまった場合は、今後の大学からの連絡を待っていて下さい。 ところで、今年から始められたGPAの卒業要件化*1、その推進論者の想定とは異なる状況になってい…

高校生のみなさんへ。 今年の一橋祭で公開講義を担当することになりました。全学共通教育科目(いわゆる一般教育とか教養教育とかの分野)からの出講で、大学生論をテーマとします。同じ時間帯にはホリエモンの講演があるようですが、興味を持った方に参加し…

この2ヶ月ほど、いろいろなことで消耗してしまっている。「ワーク・ライフ・バランス」のスローガンは文化的恣意の極みだ、などと憎まれ口をききたくなってしまう。よくない傾向だ。 安心・平等・社会の育み フィンランドの子育てと保育 フィンランドのジェ…

一橋大学大学教育研究開発センターでは、特任講師1名、研究補助員2名の公募を行っています。 特任講師―高等教育研究、大学教育論、初年次教育分野 研究補助員―IT関連、修学支援関連 関心のある方は、JREC-INをご覧下さい。 追記:応募書類の受け付け締切が間…

冬学期の「学生生活の技法」は、第2講義棟3階の310教室で行われます。10月7日(木)の初回オリエンテーションで、履修に関する注意事項の説明があります。履修を希望する場合、必ず出席して下さい。 この授業は、1年生に履修を勧めています。開講時限を5限と…

私のウェブシラバスには、ブックリストが掲載されています。しかし、いったい何を読めばよいのか、わからなくなってしまっているかもしれません。そこで、今年出版された若者文献のうち、私が出色の出来栄えだと思うものを1冊挙げてみます。 希望難民ご一行…

冬学期の「現代若者論」は、東2号館の2201教室で行われます*1。収容人数300名超の大きい教室ですので、昨年のように座席が不足するような事態にはならないでしょう。10月1日(金)の初回オリエンテーションで、早速ですが課題の提示を行う予定です。すでにWe…

エスリンとアメリカの覚醒―人間の可能性への挑戦作者: ウォルター・トルーエットアンダーソン,Walter Truett Anderson,伊藤博出版社/メーカー: 誠信書房発売日: 1998/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログを見るエサレン(エスリ…

心をあやつる男たち (文春文庫)作者: 福本博文出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1999/06メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 26回この商品を含むブログ (2件) を見る感受性訓練の末路がこのようなものだっとは、ほとんど知らなかった。確かに、ある時期の週…

昨日のエントリの続きである。 その仕事の依頼先では、日本の大学の研究政策史について報告したことがある。教育学のベテラン研究者による怒りに満ちた質疑は、「教育政策の定義を答えてみよ」、「ここは教育政策を研究する場であって、こんな報告は心得違い…

ある仕事をお引きうけした。しかし、今になって遅疑逡巡し始めてしまった。 「戦後教育学の敗北」、「教育学の混迷」という問題提起が行われたのが2007年のことである。戦後の著名な教育学者の業績の意義をなかなか掴みきれない私にとっては、それらの問題提…

査読の結果が返ってくる。レフェリーAは、条件付掲載可。レフェリーBは、他のより適した学会への投稿を勧めるという意見。レフェリーCは、学術的内容が疑問であるとして否定的。以上を総合的に判断して掲載不可とのことであった。知識社会学的な研究の意…