2012-01-01から1年間の記事一覧

ある研究に参加して、いくつかの大学の関係者に大学教育をテーマとしたお話しを聞かせて頂いている。調査にご協力頂いた皆さま、ありがとうございました。これから調査にご協力頂く皆さま、どうぞよろしくお願い申し上げます。 以下、研究を開始したばかりの…

A講義の履修と1年次終了時のXテスト成績向上の間には正の相関がある。なぜなら、入学時のXテストの平均点は約134点であり、A講義履修後のそれは約154点であるからだ。およそ20点も上昇している。したがって、入学者全員にA講義の履修を義務付けることによっ…

綺羅は「日本高等教育史」という講義を受けているところである。初老の二宮先生が担当である。1860年代から2040年代まで180年間の高等教育の歴史を教わっている。二宮先生の話しはわかりやすいものの、どこか物足りなさを感じることがある。毎回の小テストは…

ロヂック・オブ・アッカウンツ

近代職業会計人史 (1973年)作者: 加藤和男,全日本計理士会出版社/メーカー: 全日本計理士会職業会計人史編纂委員会発売日: 1973メディア: ? クリック: 3回この商品を含むブログ (1件) を見る先日の某研究会における公認会計士をテーマとした個人報告が一面的…

各種メディアで大学の数、学生の数について発言している方ならば答えられるでしょう。 〈クイズ〉 毎年、文部科学省(旧・文部省)学校基本調査報告書は学問分野毎の卒業者数を掲載しています。学問分野を「商学経済学」に限定した場合、卒業者数が最も多か…

「大学教育批判のウソ」とか「文部科学大臣批判のウソ」いう新書を書くと売れるのだろうか。「なんとかのウソ」は先日言及した「水面下ではいろいろ動いているのよ」と同じように、あることがらについて特権的に情報を持っているのだとして自らの虚栄心を満…

新しい左翼入門―相克の運動史は超えられるか (講談社現代新書)作者: 松尾匡出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/07/18メディア: 新書購入: 4人 クリック: 61回この商品を含むブログ (29件) を見る備忘。全教/日教組の対立もこの枠組みで理解してよいだろう…

先日の「現代若者論」講義において、ホラー系ドラァグクイーン、ライターのエスムラルダさんにゲスト・スピーカーをお願いしました。LGBTに関する基礎的な知識、エスムラルダさんご自身のこと、自分や他者にある種のラベルを貼ることの良し悪し、マスメディ…

教育・学生担当副学長選考〈参考投票〉が近付いている。2000年4月26日「副学長選考に関する確認書」に基づくものである。かつての学生部長に相当することから、教育・学生担当のみに対して〈参考投票〉が実施される。 この〈参考投票〉の意味を理解するため…

時事問題に関して「脊髄反射」(?)的にコメントするのはとても恥ずかしい。ジャーナリストではないのでなるべく控えている。しかし、研究に大きく関与することなので一言だけ。 田中眞紀子文部科学大臣が大学設置・学校法人審議会の答申を覆して大学設置を…

先日、学生と一緒に「コミューン」の舞台を散策してきた。 これには理由があった。多くの学生がほぼ毎日のように私の研究室を訪ねてくる。私にとってはほんとうに幸せなことである。たいていは世間話をするだけで、稀に(?)勉強の話もすることがある。その…

コミューンについて(2)

「水面下ではいろいろ動いているのよ」と言うと、あることがらについて特権的に情報を持っている、事情通なのだ、と自らの虚栄心を満足させつつ他人を見下すことができる。嫌味で都合のよい表現である。そのわりに、その情報が何であるのか隠したままにして…

団地の空間政治学 (NHKブックス No.1195)作者: 原武史出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2012/09/26メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 2人 クリック: 40回この商品を含むブログ (22件) を見る先日、私自身の「団地体験」をほんの少し書いたところである…

2012年冬学期全学共通教育科目「学生生活の技法」の第1回オリエンテーションは、 日時:10月4日(木)5限 [1] 16:20〜 [2] 17:10〜 場所:310教室(第2講義棟3階) で実施します。履修を希望する場合、必ず出席してください。白石(2003)によれば、「新入生…

2012年冬学期全学共通教育科目「現代若者論」の第1回オリエンテーションは、 日時:10月5日(金)4限 [1] 14:40〜 [2] 15:30〜 場所:2301教室(東2号館3階) で実施します。履修を希望する場合、必ず出席してください。例年、第1回はとても混雑します。早め…

反大学論と大学史研究―中野実の足跡作者: 中野実研究会出版社/メーカー: 東信堂発売日: 2005/06メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログを見る東信堂による帯は「70年代の日本とは何であったか!」、「(筆者には)大学史研究者として知られる近…

高校の「女性」校長が少ないのはなぜか―都道府県別分析と女性校長インタビューから探る作者: 河野銀子,村松泰子出版社/メーカー: 学文社発売日: 2011/11メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログを見る明快な問いが示されている―「なぜ女性校長が…

ソーシャル・キャピタルのフロンティア―その到達点と可能性作者: 稲葉陽二,近藤克則,宮田加久子,大守隆,矢野聡出版社/メーカー: ミネルヴァ書房発売日: 2011/04メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (4件) を見る第1章「座談会―ソー…

対人援助のためのグループワーク作者: 福山 清蔵 ,福山 清蔵出版社/メーカー: 誠信書房発売日: 2011/06/13メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログを見る先日のFDにおいて紹介した書籍である。集団を形成するには、一定の手続きに従っ…

予定どおり7月から給与を8%ほど減額されている。私立大学勤務の方から心配のお声を頂戴しているところであった。 本学では平成26年3月31日までの間、一般職、技能・労務職、教育職、医療職すべて、本給は職務の級に応じて4.77%、7.77%、9.77%、地域手当…

先日の朝日に掲載された野中郁次郎の記事の件、暗黙知の概念を誤解しているという指摘、ほんとうは正確に理解しているけれどもあえて間違った使い方をしているという指摘、どちらの指摘が妥当なのだろうか。 暗黙知については、ちょうど先日の研究会で考えて…

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1325047.htm 中央教育審議会答申(2012.8.28)「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて〜生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ〜」を読んでいる。具体的な改革方策につ…

週刊 東洋経済 2012年 8/25号 [雑誌]出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2012/08/20メディア: 雑誌 クリック: 4回この商品を含むブログ (1件) を見る出張の空き時間に昨日購入した週刊東洋経済を読む。 今週の特集はリクルートであった。私は少なからず…

羽田貴史、2012、「私の東日本大震災日誌―京都市・東京都・仙台市・南相馬市・東広島市」『東北大学高等教育開発推進センター紀要』7 先日、ある会議の休憩時間において羽田先生から紀要論文の抜刷を頂いた。すでに、この紀要は東北大学高等教育開発推進セン…

Prometheus

教育 2012年 09月号 [雑誌]出版社/メーカー: かもがわ出版発売日: 2012/08/10メディア: 雑誌購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (1件) を見るメッセージ「教育科学研究会再建60周年に寄せて」がおもしろい。 太田堯論文「教育は『総合芸術』」は、…

田中真理・池田忠義・堀匡・佐藤静香『学生のための心理・教育的支援』東北大学高等教育開発推進センター 大学への「適応」を個人の心理的な課題としてのみ捉えようとする傾向には注意しなければならない。それも重要であるのと同時に、そもそも大学特有の文…

「女子」の時代! (青弓社ライブラリー)作者: 馬場伸彦,池田太臣出版社/メーカー: 青弓社発売日: 2012/04メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (6件) を見る第6章 信時哲郎「女子と鉄道趣味」 私は鉄道に関心がないのだけれども、こ…

失われざる十年の記憶―一九九〇年代の社会学作者: 鈴木智之,西田善行出版社/メーカー: 青弓社発売日: 2012/06メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (2件) を見る第1章 佐幸信介「郊外空間の反転した世界―『空中庭園』と住空間の経験」 『滝山…