2012-01-01から1年間の記事一覧

自己啓発の時代: 「自己」の文化社会学的探究作者: 牧野智和出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2012/03/07メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 36回この商品を含むブログ (20件) を見る数年前から勝手に応援していた研究者の論文がついに書籍となった―面識…

大阪維新の会「教育基本条例案」何が問題か?作者: 市川昭午出版社/メーカー: 教育開発研究所発売日: 2011/12メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 31回この商品を含むブログ (6件) を見る 地方教育行政において条例内容を評価する基準としては、一般に「必要…

2012年度夏学期全学共通教育科目「教養ゼミナール」(金曜4限)について紹介します。 この「教養ゼミナール」では、一橋生になることとはどのような意味なのか考えたいと思います。大学入試への合格や、いわゆる「大学デビュー」が大学生になることの本質な…

2012年度夏学期全学共通教育科目「教育と社会」(金曜2限)の一部を担当する予定です―いわゆるリレー講義。第12回「企業内教育の歴史と現在」、第13回「専門職の養成」を受け持ちます。これらのテーマについては、伝統的に本学で呼称されてきた「<教育と社…

三商大 東京・大阪・神戸――日本のビジネス教育の源流作者: 橘木俊詔出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/02/23メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 3回この商品を含むブログ (4件) を見る大学史としては新しい知見があるわけではない。商学(経営学)の…

カウンセリングを巡る専門職システムの形成過程―「心」の管轄権とプロフェッショナリズムの多元性作者: 丸山和昭出版社/メーカー: 大学教育出版発売日: 2012/01/30メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログ (1件) を見る昨日の内観療法への言及は…

出張先で読む。教育における「政治的中立」の誕生―「教育二法」成立過程の研究作者: 藤田祐介,貝塚茂樹出版社/メーカー: ミネルヴァ書房発売日: 2011/12メディア: 単行本 クリック: 14回この商品を含むブログを見る帯には「教育は、政治から自由たりうるか」…

グローバル人材育成のための大学評価指標―大学はグローバル展開企業の要請に応えられるか作者: 徳永保,籾井圭子出版社/メーカー: 協同出版発売日: 2011/11メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る 企業インタビューで、多くの責任…

朝、日経を開いてすぐに目が覚めた。1面の「春に入学、授業は秋から―一橋大が独自案検討」の記事を読んでのことである。 一橋大では現行でも、4年生の前期には大半の学生が卒業に必要な単位をほぼ取得… アカン、言うてもうてるやん。この慣行を維持したまま…

表題は中央教育審議会大学分科会会長の言葉である。 2月13日の中央教育審議会大学分科会大学教育部会第9回に関する新聞報道を見て、私なりに論点を整理しておかなければならないと感じている。何としてでも学習成果をテストしたいという強い意向の理由は委員…

先ほど、新宿2丁目にある毎週水曜日だけのゲイバー「エフメゾさん」において、ホラー系ドラァグクイーンでライターのエスムラルダさんと来年度の講義について打合せをしてきました。エフメゾさん、エスムラルダさん、お世話になりました。 エフメゾさん http…

GPAの卒業要件化に関連して、その数値が低いことをテーマとする紀要論文をどうにか仕上げた。まだまだ不十分な点は残されているのだが、とりあえずはこの2年間ほど考えていたことをまとめたつもりである。大学における学業不振の原因を厳しい入学試験に合格…

昨日のエントリに対して、複数の教育社会学の研究者からコメントを頂いた。ありがとうございます。 能力測定や選抜のあり方に対して吟味すること、適切に操縦すること、これらの必要性に関するご指摘はもっともである。私がこの論点に踏み込めなかったのは、…

岩波書店の2013年度定期採用についてネット上で議論が盛り上がっている*1。「紹介」を必要とすることに否定的な意見が多い印象である。「紹介」にもとづく選抜は許されないという否定的な意見の背景に、たとえば、学歴・学校歴にもとづくメリトクラシーが徹…

学生相談室主催の「コミュ力UP合宿inはちおうじ」がみなさんに良かれ悪しかれインパクトを与えているようです。「コミュ力」という概念の暴力性(?)をあらためて認識しました。ここで暴力性というのは、「おまえは『コミュ力』を持っていないからダメだ」…

http://www.rdche.hit-u.ac.jp/~rdche/modules/content04/index.php?id=1 「大学の国際化と英語教育」をテーマとしてFDシンポジウムを開催します。英語を教授言語とした講義の成果や課題、大学英語教育のあり方について検討いたします。大学関係者のご参加を…

近日中に学生相談室からも紹介があるかと思います。3月12日、13日に「コミュ力UP合宿inはちおうじ」という企画が実施されます。参加費、食費、宿泊費、交通費はすべて無料です。会場は八王子セミナーハウス、定員は40名です。ぜひご参加ください。私も参加…

学生相談室からのおしらせ

24日は仙台で仕事。 その前日、ボンバルディア機のエンジントラブルで少し待たされることになった。おかげで読書が捗ることになる。学校にできること 一人称の教育社会学 (角川選書)作者: 志水 宏吉出版社/メーカー: KADOKAWA/角川学芸出版発売日: 2010/11/2…

国立大学のコッピーであつてもならない

23日は広島大学で文献調査をしていた。しかし、「大学教育質向上推進事業(大学教育・学生支援推進事業)」の打ち切りがとても悔しくて、ほとんど集中することができなかった。 文部科学省メールマガジン「大学改革GPナビ−Good Practice−(第108号)」を抜粋…

国の事業として廃止

東京大学の9月入学構想に関連して一言だけ。高等教育市場の国際化 (高等教育シリーズ)作者: 塚原修一出版社/メーカー: 玉川大学出版部発売日: 2008/02メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 学生を消費者とみるこのような議論は、現実の複雑性…

自主ゼミを開催します。テーマは「2011年一橋リアル熟議の再検討」です。一橋生であれば誰でも参加できます。ラノベについては、別の機会とさせて下さい。 同リアル熟議では、「大学教員、学生、OBOGの3つの立場それぞれが自身の役割を再認識し、よりよい大…

学生の皆さんからよく頂く相談を紹介します。以下、私の10年前の経験談に基づく話しなのでけっして一般化できる内容ではないこと、私は社会なるものを機能的にではなく葛藤的に見る傾向があること、それらのバイアスがあることに注意してください。その相談…