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「移民列島」ニッポン 〔多文化共生社会に生きる〕

「移民列島」ニッポン 〔多文化共生社会に生きる〕

たまにはルポを読んでみる。保見団地、大久保、南魚沼。
高等教育に関連することとしては、国際大学の地域貢献をはじめて知った。


うおぬま国際交流協会(夢っくす)
http://www.umex.ne.jp/


ただし、このルポの問題意識にある「外国人妻」の支援に関するプログラムは大学主導で始められたようではないとのことである。2003年に、中国人の妻を持つ男性がそうするよりほかないかのように夢っくすを頼ってきたようである。ある町に大学が、世界に開かれた教育機関が存在することの意義を考えさせられる。
そして、現下のさまざなま「グローバル化」政策に関して、著者の主張はとても参考になる。

いくら出入国管理の制度を変えても、大学が秋入学になっても、外国人が日本に行くインセンティブを感じないと、優秀な人は来ないだろう。外国人を心から受け入れるというオープンな精神を日本の社会や日本の組織が持たない限り、難しいのではないか。
(略)
海外から即戦力となる優秀な外国人を獲得するという発想はどこかの国のプロ野球球団を思わせる。だが、優秀な外国人を国内で育てるという発想はないのだろうか。日系ブラジル人の子どもは中学卒が多い。上の学校に進んでも、せいぜい高校止まりで、大学に進学する例は稀だ。日系人に限らず、外国人の子どもへの教育を充実させ、高度人材を国内で育てるという視点も重要だ。
297頁



さて、学生の皆さんに質問。(1)筆者が「優秀な人」や「高度人材」という言葉を多用する背景には何があるのだろうか。(2)優秀ではない外国人、優秀ではない非外国人(≒日本人?)に対しては充実した教育は不要だろうか。(3)心から受け入れるとはどんな意味だろうか―そもそも副題にある「多文化共生」とはどのようなことを意味するのだろうか。
ところで、ある大学の外国人向け留学案内ビデオには、白人のイケメン、美女ばかりが登場している。もうそういうことはやめて、とりあえず学食にハラールを置こう、などと考える学生さんはいませんか。