立教大学2012年度春学期のシラバスを入稿しました。曜日、時限は未定ですが、とりいそぎの案内です。


全学共通教育カリキュラム(全カリ)総合教育科目 立教科目群(立教A)
高等教育の歴史的展開(新座) 現代の問題を理解するために歴史を学ぶ―ミネルヴァの梟は黄昏に飛び立つ


主として日本の高等教育の政策史をテーマとする。ただし、法や行政によって定められるものに限定しない。可能な限り、慣行や文化、制度化されなかった政策案についても言及する。現代における高等教育の問題を学術的な枠組みに依拠して、また、歴史的な経緯のあるものとして説明できるようにする。


高等教育の不思議なしくみ―組織化された無秩序/旧制大学旧制高等学校大学予科/ドイツと米国の高等教育/高等教育制度の一元化―日本の戦後改革(1945-)/理工系の拡大政策(1955-)/私立文科系の拡大、学生運動(1960-)/四六答申、私学助成、進学者抑制政策(1970-)/臨教審、消費社会における高等教育(1980-)/大学設置基準の大綱化(1990-)/大学評価(2000-)/ユニバーサル段階の高等教育(2000-)



政策文書を読むだけでは無味乾燥ですので、なるべくそれぞれの時代の学生文化や社会的なことがらに言及して、それらとの政策の関係について理解を深められるように努めます。そのための構想を練ることが、私の年末年始の宿題です。
この講義の履修と合わせて、同じく立教科目群の大学をテーマとする科目、たとえば、<大学と科学技術>、<立教大学の歴史>、<大学と現代社会>や、主題別A-2社会への視点の科目、たとえば、<学歴社会論>、<サブカルチャー論>を履修することを推奨します。「そもそも高等教育政策というものは存在しなかった!」という表現があるのですが、そのように言われてきた理由がわかるようになるかもしれません。主として教育社会学という学問によるアプローチを採りますが、場合によっては教育行政学、政治学に寄り道をします。もちろん、これらの学問的な知識を前提とはしません。平易な説明を心掛けます。
担当教員の人柄については、ある学生(ゼミ履修者)が言うには好き嫌いが分かれるそうです。さて、どうでしょうか。