高校生のみなさんへ。
今年の一橋祭で公開講義を担当することになりました。全学共通教育科目(いわゆる一般教育とか教養教育とかの分野)からの出講で、大学生論をテーマとします。同じ時間帯にはホリエモンの講演があるようですが、興味を持った方に参加してみて下さい*1
実は、この公開講義の構想段階において、2つのリクエストがありました。1つは、高校生にとって面白い内容が望ましいということ、もう1つは、大学の講義を実感できるようにすること、というものです。しかしながら、私にとって、この2つは矛盾するものです。つまり、大学の講義で面白いと感じるものは決して多くはなく、その面白さが理解できるようになるには長い時間が必要であるということです。大学生はつまらなく感じてしまう講義をいかに乗り切るかというサバイバルの中にあります。当日は、時間に余裕があれば、こうした大学の講義の特徴にも言及したいと思います。大学生と大学教員*2が同じ教室にいたとしても、あたかもそこに衝立があるかのように、見えているものが異なってしまう理由の議論もしたいのですが、そこまでお話しできるかどうか、頂いた時間との勝負になりそうです。

*1:私はあまりホリエモンに興味を持ちませんが、もしゲストが村上世彰であったならば、通産官僚時代の話しでも聞いてみたいとは思います。

*2:近年は、国立大学でも「教官」とは呼びません。私もまた、官吏であるという自己認識はまったくないのです。そういえば、かつて国立大学附属校の教員は「教官」でした。