- 出版社/メーカー: かもがわ出版
- 発売日: 2012/03/10
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部外者として気がかりなことが2点あります。一つは、会員には共有されている問題だとは思いますが、あまりにも若手教員が活躍できていません。紙幅の多くが1950年代生まれのベテラン教員によるものでした。五十嵐顕を面白いと思う若手の小中学校、高校の教員はどれくらいいるのでしょうか(研究者は別として)。若手教員にとっての魅力を打ち出すことに成功していないように思われます。雑誌や大会という伝統的な媒体以外のアピール方法を考えるためにも、数少ない若手教員に対して大幅な権限委譲を行うことはできないのでしょうか―その先には、SNSへの移行という案も出てくるかもしれません。もう一つは、「敵」との対話をしないままでは、主張に説得力が増さないと感じることです。「味方」であったはずの人びとが「敵」に共感を覚えてしまっている現状を嘆くだけでなく、「敵」に自ら矛盾を表明させるべく対話を呼びかけるといったことが運動として必要なのではないでしょうか。
中田論文は教員評価について考えてみたい学生のみなさんの参考になるでしょう。
中田康彦「教員評価の原理を考える」77-87頁
評価とはどうあるべきなのか
教師は誰に評価されるのか
(1)顧客満足度との違い
(2)子どもの意見が万能なわけではない
(3)組織における評価の担い手とは
(4)不要な緊張関係
組織において人を評価するということ
(1)経営学が語る人事評価の原理
(2)意識調査にみる期待と意味づけ
(3)何でもつめ込むことの限界
制度化するうえでの注意点
(1)成果主義という政策動向のなかでの役割
(2)目的議論に立ち返る
(3)不確実性への対応を