みなさんが学期末に記入する「授業と学習に関するアンケート」の集計結果が教員へ返却されました。教員はこれをもとに反省を深めて、講義内容や方法の改善を検討します。みなさんは附属図書館や教務課などで閲覧することができます。とりいそぎ、「現代若者論」について書かれた自由記述のすべてを文意を損わない程度で縮めて紹介します*1。肯定的な自由記述が多いのは、学期末の講義に出席した学生(=そもそも講義を肯定的に評価しているために出席を継続してきた学生)のみがアンケートを記入しているというバイアスがあるためだと思われます。したがって、来年度以降に受講を予定しているみなさんは、この自由記述を鵜呑みにしないでください。「昨年書かれた自由記述に肯定的なものが多かったので履修してみたのだけれども、私にとっては大いに不満な講義だ」と感じる可能性もあるでしょう。なお、4月以降にウェブシラバス内で自由記述への応答を記入する予定です。
13番は辛らつだけれども重要な意見でした。ありがとうございます。レジュメの内容と口頭の説明のバランスに悩みますが、何らかの改善方法を考えます。17番、18番はまさに私の本意でした。数年前にこの講義を構想した際、学生生活に対するモチベーションの向上と、若者(または、若者論)を素材とした社会科学の概念の修得をほんとうのねらいにしようとしました。ある程度は、このねらいが達成できていると考えられるでしょうか。講義中に説明するように、2番で言及されるくだけた話しや冗談というのは、私にとっては感情管理の営みです―普段はつまならいことしか発言しません。6番については、いくつかの問題提起のために「ウザい絡み」を展開していたのですが、意図が伝わらなかったかもしれません。教員にとっても140字のコミュニケーションは難しかったです。
教職員のみなさんは、ほんとうにささやかなFDer(ファカルティ・ディベロッパー)の仕事としてご覧下さい。Twitterの導入については、学生のみなさんとの真剣な議論と冗談の応酬の境界が不明瞭になりがちで、やや敗北した印象を持っています。気がかりなのは、Twitterなら何でも発言してよいのだと捉えている学生がいることです。


自由記述
1、夏学期に教養ゼミを受講していたので興味があった。自分にとって関心のあるテーマなので楽しかった。
2、授業中のくだけた話しも面白かった。冗談が面白いというのは失礼かもしれないが…。Twitterに関しては悪評がたっていたらしい。
3、社会科学の概念装置を学ぶことができた。社会学部の必修にしてもよい。レジュメが丁寧で参考にしやすく、成績評価基準も明確だった。
4、授業で扱った概念は難しかったけれども、一般教養では得られないレベルのものだったので受講してよかった。
5、最初は単位が取れればいいという感覚だったが、次第におもしろくなっていった。あたりまえがあたりまえではないということに気付かされた。
6、Twitterで絡まれないように若者論の内容をつぶやかないようにした。ごめんなさい。
7、面白い回もあったが、難しい回もあった。来年はもぐりたい。
8、社会学の諸概念は役に立った。
9、若者論という身近なテーマを通して社会学のものの見方を学ぶことができた。有意義だった。
10、興味深い内容が多く勉強になった。
11、社会学部講義「社会学理論」の実践講義としての位置付けとして非常に有意義だった。理解を深める意欲を上げるのに役立った。取り上げる話題はタイムリーだった。
12、楽しかった。噂どおり課題の数は確かに多いが、一つ一つはそれほど負担にならなかった。中間・期末レポートは字数制限が厳しく、論じたい内容を100%書くことができず残念だった。
13、レジュメに書いてあることをだらだらと読むだけで、まったく出席する意味がない。最初から社会科学の用語のお勉強だよ、と明示するべき。若者についてあまり扱っていない。「社会科学特論:若者について」といった講義名称にするべき。ゲストスピーカーは良し悪しがある。来年からは考えてほしい。
14、「若者論」を語るうえで必要な社会学用語の説明が多く、必修の「概論」よりも社会学部的な講義であると感じた。学部1、2年生にとってはよい講義だろう。
15、授業はおもしろかった。自分が書いたレポートやコメントにフィードバックがもらえてよかった。
16、評価基準が明確でわかりやすかった。興味深い内容だったからか、漠然とだが面白い講義だった。私はTwitterを使っていないので、教員と接触する機会が限られた。
17、この授業で得られた最大のものは学習意欲かもしれない。レポートのためかもしれないが。他の授業のようにあまりサボらなかった。
18、終わってみれば若者論はカモフラージュで(わかる人には)内実は社会学、というすばらしい構成。
19、おもしろかった。
20、この授業を受けたことで、一橋に来た意味があったと思った。「当たり前」のことを疑うという大切な視座を得ることができた。
21、さまざまなアプローチが紹介され、若者に対する認識が変わった。課題に関する先生のコメントは自分の主張を再点検する際に参考になった。
22、ものごとを考える手順がわかった。いろいろな分野の概念が紹介されていて有意義だった。
23、以下の2点について参考になった。自分の問題として若者を考える契機。社会科学の概念についての知識。
24、1回1回の授業に多くの概念、知識がつめこまれていて、この授業で多くの知識を得ることができた。さらにこれから自分で理解していきたい。

*1:あまりに悪意のある自由記述については、教員じしんも見ることができない仕組みです。そのため、その類いの自由記述は紹介できません。