週末の研究会に向けての予習を進めている。指定された課題図書のほか、関連のありそうなものを仕込んでおく。

なるほど、大学の社会学部に社会政策が置かれるのは確かに特殊なことである。私が学部生だった頃、社会学部の中に「社会問題・社会政策専攻」があったのだが、何ら違和感を持たなかった―現在は、「総合政策研究分野」という名称になっている。19世紀以降のイギリスの貧困調査についての授業や、日本の社会保障の複雑な経緯に関する授業はとても興味深く思えた一方で、ドイツの社会政策史の授業にてこずったことを思い出す。今となっては、そうした授業で基礎的な知識を得られたことに感謝するばかりである。
平等概念の整理(50頁)―(1)数量的平等、ないし絶対的平等(Eq)、(2)貢献を基準とした比例的平等(Epc)、(3)必要を基準とした比例的平等(Epn)―からすると、この論文が書かれた頃から現在に至るまで、(3)の理論的な精緻化が進められたということになるだろうか。(3)の妥当する範囲をどのように画定するかという論点(57頁)、教育はどのように引き受ければよいだろうか。
社会調査史のリテラシー

社会調査史のリテラシー

大学生を対象とした調査について、その歴史をまとめてみたいという欲求にかられる。どのような問題意識のもとにその方法が採られてきたのか、どのように調査を実施するに際しての戸惑いや混乱を乗り越えてきたのか。大きな課題である。