立教大学「学生による授業評価アンケート」に対する所見票を提出した。これは担当する講義についてのアンケート結果を読んだうえで、その改善点などを申告するものである。2013年度前期に担当した 全学共通カリキュラム「高等教育の歴史的展開/N」 の結果は次のようなものであった。他の講義との比較ができないのでほとんど意味がないのだけれども、いちおう紹介してみる(昨年度の同講義は履修者数が少なかったために比較できない)。



■ 集計結果
5:大いにそう思う、4:そう思う、3:どちらともいえない、2:あまりそう思わない、1:そう思わない

平均点
【1】この授業へのあなたの取り組み方について、以下の項目にどの程度当てはまりますか。
1) 授業全体を通じての出席率(5:90%以上〜1:30%未満) 4.52 
2) この授業に積極的に参加した 4.04 
3) この授業の履修にあたって十分な準備ができていた 3.07 
4) 授業をきっかけにして発展的な勉強をした 2.89 
5) シラバス(履修要綱の講義内容)は受講に役立った 3.70 
6) この授業に関連して、授業時以外に学修した時間(平均して1週間に5:3時間以上〜1:0時間) 1.89

【2】この授業の進め方は、以下の項目にどの程度当てはまりますか。
1) 聞きやすい話し方だった 4.31 
2) 各回の授業内容の量は適切だった 3.93 
3) 各回の授業のねらいは明確だった 4.26 
4) 各回の授業内容は明確だった 4.30 
5) 十分な静粛性が保たれた 4.43 
6) 教科書・授業レジュメプリントや参考文献が効果的だった 4.25 
7) 板書のしかたが適切だった 3.62 
8) 映像視覚教材(パワーポイント、ビデオなど)の使用が効果的だった 3.98 
9) 教員は授業の準備を周到に行っていた 4.56

【3】この授業からあなたは次のものを得ることができたと思いますか。
1) 自分にとって新しい考え方・発想 3.69 
2) 授業で扱った分野に関する基本的な専門知識 3.63 
3) 自分で調べ、考える姿勢 3.41 
4) 授業で扱った内容が持つ、現代に通じる普遍的な意味 3.76

【4】総合的にみて、この授業は以下の項目にどの程度当てはまりますか。
1) わかりやすい授業だった 4.19 
2) 授業全体の目標が明確だった 4.06 
3) 学問的興味をかきたてられた 3.83 
4) この授業を受けて満足した 4.00

【5】学部等による設問(全カリ)
1) この授業の教室の大きさは適切だった 4.18 
2) この授業の受講者数は適切だった 4.22 
3) この授業の行われた教室の環境や設備は十分だった4.16


■ 記述による評価
良いと思った点(8人が記述)
・グループになってディスカッションやゲームなどをする(5人)
・映画を見ることができた(1人)
・今まで受けた講義の中で指折りの興味深い授業だった(1人)
・高校では習わなかった現代史を知ることができた(1人)
改善するべき点(3人が記述)
・遅刻に対してもっと寛容にしてほしい(1人)
・先生も体調が悪いときはしっかりと休むべきだ(1人)
・講義1回で扱う量が多すぎる(1人)




観光、福祉、心理を学ぶ学生にとっては興味関心を持ちにくいであろう全カリの立教A科目、しかもテーマが大学史なので、どうしても各項目の平均点を上げることには限界を感じてしまうところである。本務校のアンケートの類似項目の平均点よりも低いことから、教養科目の非常勤の難しさを実感する。しかし、すでに公開されている数年前の全カリの各項目の平均点を概ね上回っていること、グループワークに意義を感じられているようであることから、それほど悪い評価ではないように思われる。ただ、基本的な専門知識、自分で調べ考える姿勢の平均点が低いことは問題である。アカデミック・スキルの涵養という観点から、課題を細分化して到達するべきポイントを明確に理解できるような改善を図る所存である。
なお、遅刻については厳しく対応したような記憶がないので戸惑っている。