高等教育の大衆化と私立大学経営―「助成と規制」は何をもたらしたのか

高等教育の大衆化と私立大学経営―「助成と規制」は何をもたらしたのか

どうしても、高等教育懇談会における「積極論」から「消極論」への転換の理由がわからない。この点は以前からやり残している課題であるのだが、いまだに確たる手掛かりが掴めていない。放送大学構想(あくまでも構想であって、実現した「最後のロマン」たる放送大学の規模は…)の影響を漠然と考えてきたのだが、やはり黒羽が言っていたようにオイルショック、および、所管局長の交代の影響という「わかりやすい(けれども面白くもない)」理由になってしまうのか。小林が明らかにしていることは、「消極論」をどのように「政策」化したか―いわゆる実員の定員化など―という点であるので、それ以前の懇談会の構想そのものの転換については、なお分からないのである。ただ、懇談会が行政管理庁の指摘を受けて放置されるに至った、という指摘はその通りである。