不安な経済/漂流する個人―新しい資本主義の労働・消費文化

不安な経済/漂流する個人―新しい資本主義の労働・消費文化

企業組織は言うまでもなく、大学組織もまた、指摘のとおりMP3プレーヤーに喩えられるのかもしれない。課題(例えば、競争的資金に紐付けられた「政策」課題)に応じて、組織は膨らんだり縮んだりする。大学関係者に必要なことは、クラフトマンシップではなく、不確実性への順応であるとさえ思えてしまう。カリスマ学長は歓迎されるが、組織的権威は過去のものになりつつある。
根本的美徳としての「それ自体を目的として何ごとかをおこなう」は、果てしない夢なのかもしれないが、忘れてはならないことなのだろう。