かもめが翔んだ日

かもめが翔んだ日

期末レポート課題を眺めていると、「『かもめが跳んだ日』を読んだ読書感想文を提出せよ」というものがあって、のけ反ってしまった。
こうした読書感想文タイプのレポート課題、教員にとってはもっとも楽な出題であって、かつて多用(乱用?)されていたような印象がある。講義との関係を深く考えることを要せず、安易な出題が可能である。学生にとっては、どうだろうか。一見したところ、取り組みやすいようではあるものの、評価基準が見えないために不安を感じるのではないか。そもそも、教員はどのように採点するのだろう。このレポートの目標は何だろうか、評価基準を他者に説明できるのだろうか。もちろん、読書感想文そのものが良くないというわけではなく、読書感想文が課題であってもその出し方には工夫が必要なのである。
かもめ、については提出期限が迫っているようだ。有名なことだけれども、この企業の成長にはそもそもは心理学者の卵であった創業社長とは別に、ある(元)役員が重要な役割を果たしている。その役員が書いたものを読むと、より理解が深まるはずである。タイトルの社訓(社是?)についても、ただ素晴らしいと称揚するのではなくて、一般の従業員にとってどのような意味があったのか、よくよく考えてほしい。学生の皆さんには、がんばってほしい。
教員には、レポートの出し方に関する研鑽が必要なのかもしれない。