日本郵便「Webレター」利用の記録

 調査への協力を依頼する際に郵便を利用することがある。大学院でトレーニングを受けていた頃から近年まで、(1)封筒と切手を購入する、(2)差出研究グループの責任者氏名などや連絡先が書かれたゴム印を作成する、(3)送付物を自前のコピー機で用意したり印刷会社へオフセット印刷を発注したりする、(4)PCで宛て名ラベルを作成してプリントアウトする、(4)切手と宛て名ラベルを封筒へ貼付したうえで封筒の反対側下部に黒インクを付けたゴム印を押す、(5)封筒へ送付物を入れて封をする、(6)郵便局へ持参する、(7)換金可能である切手を厳重に管理する(仮に120円切手5千枚として60万円相当の現物の管理が必要になる)、という作業を「研究」として行っていた。予算の都合のために、すべてまたは一部の工程を請け負う印刷会社を利用することは難しい。その代わりに学部生のアルバイトを雇用して、作業のお手伝いをして頂くこともあった。切手については料金別納にする方法もあるものの、それでも郵便局へ封筒を持ち込む作業は削減できない。
 今年、とある調査において、従来の作業を日本郵便が提供している「Webレター―案内状、通知書、請求書、DM等の発送・郵便代行」へ置き換えてみた。


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 その結果、コストが下がることになった。たとえば、4ページの送付物を5千通発送する場合、これまではネット印刷会社でのオフセット白黒印刷3万円、切手60万円、封筒・ゴム印・人件費(学部生バイト代)など諸経費10万円、合計73万円程度が必要であり、そのうえ作業のために教員や大学院生の時間を使っていた。他方、日本郵便の「Webレター」では、白黒4ページの内容を送付するのに1件134円、5千通で合計57万円である。金銭面での節約以上に、上記(1)~(7)の作業がすべてなくなったという利点が大きかったのである。ただし、必ずしもメリットばかりではなかった。「Webレター」に封入される送付物は、日本郵便のウェブサイトへアップロードされたPDFファイル、または、当該ウェブサイトでPDFに変換されたMS-Wordファイルである。両方のパターンを試したものの、以下の写真中の「拝啓 向春の候…」に見られるようにフォントが荒い。

また、ないものねだりではあるものの、穴あき封筒のウラ面に掲示される「Webレター」についての説明がもう1~2行ほど詳細であれば、受取人の理解も捗るかもしれない。オモテ面の切手欄には「コンピュータ郵便」と書かれているために混乱を招くのである。