教員公募への応募履歴

 半年ほど以前、実務家の方が大学の教員公募へ応募しているものの結果を出せないで困っているという記事を見かけた。実務家に限らず、求職中の研究者にとって公募に関する情報は気になるところであろう。なにかの参考になるかもしれないので、私がこれまでに経験した公募への応募状況を書き留めておく。なお、紹介する数字に対する感想は学問分野によって大きく異なると思われる。あくまでも高等教育論関連の私的な経験であることを申し添えておく。


任期なし教員、任期付き教員の公募への応募:2007年度~2013年度

  • 面接選考に呼ばれて、採用に至った 国公立2回、私立1回
  • 面接選考に呼ばれて、採用の連絡を貰うものの辞退した 国公立1回
  • 面接選考に呼ばれたものの、不採用だった 国公立3回、私立2回
  • 書類選考で落ちた 国公立6回、私立13回、公的研究機関2回



任期なし教員、任期付き教員の公募への応募:2014年度~2021年度

  • 面接選考に呼ばれて、採用に至った 国公立2回
  • 面接選考に呼ばれて、採用の連絡を貰うものの辞退した 国公立1回
  • 面接選考に呼ばれたものの、不採用だった 国公立1回、私立2回
  • 書類選考で落ちた 国公立15回、私立11回、公的研究機関1回
  • 現時点で採否の連絡がない(不採用だろう) 私立1回



非常勤講師の公募への応募:2007年度~2021年度

  • 書類選考で落ちた 国公立1回、私立1回

 合計で66回挑戦しているようである。なお、採用に至ったのはいずれも任期付きの公募である。辞退した2回については、1回は先方と当方との間で雇用条件の認識に大きな隔たり(公募情報には常勤とされていたものの、実際には非常勤であり収入を埋め合わせるため他機関で非常勤を兼務することを強く勧められた)があったためであり、もう1回は他の採用通知と重なったためである。
 応募の際に困り続けてきたことが2つある。まず、よく指摘されることだけれども応募書類についてである。履歴書、教育研究業績書などについてその大学独自の書式や、文科省指定様式(教員個人調書、教育研究業績書)を改良(?)した様式を使うことが求められることがある。とりわけ、「ネ申Excel」と呼ばれる印刷した際の見栄えがよくなるようなエクセル書式に困惑してきた。たとえば、結合されたセル1マス1マスに対して、著者名、論文タイトル、雑誌名、発行年、ページ数、400字要約などを埋めていかなければならない。この作業だけで1日かかってしまう。また、特に私立では「志望動機」を書くことが要請されることもあり、大学ウェブサイトや大学関連情報サイトを調べつくしてどうにかその文章を捻りだすことになる。ウェブを活用した応募、書式自由の応募、求人側がリサーチマップを参照することが一般的になるとよい。次に、面接についてである。面接担当者が知人であったことは何度かあり、そのたびにモジモジしてしまうのは仕方がない。より厳しいのは同じ面接を受けに来た知人と面接会場のある部屋の廊下や待機場所ですれ違うことである。あの気まずさ、表現のしようがない。求職者にとっては何らかの配慮があると助かるだろう。