対話の向こうの大学像 (シリーズ 大学 第7巻)

対話の向こうの大学像 (シリーズ 大学 第7巻)

編集委員の皆さまから頂戴しました。ありがとうございました。

今回のシリーズ企画を立てるにあたり重要視したのは、グローバリゼーションが大学に変化する必要性を突きつけているということ、そして大学大衆化の問題がありました。これらにより、旧来の大学像では対応しきれなくなり、従来の大学固有の世界に閉じた存在のしかたを見直さざるを得なくなっている。いわば大学と社会の関係を、再編しなければなりません。
大学の改革については、これまで主に二つのタイプの議論がなされてきました。ひとつは、海外などよそで行われてきたことを過大に評価して日本にもちこもうとする性急な改革論。もう一方に過去を美化し、あらゆる変化を拒もうとする立場があります。その二つの極の間で、現実を踏まえながら理想を追求するような大学像をどう描けるのかということを、さまざまな論考を通して探りたいという意図で進めてきました。


編集委員による討議「新しい『大学像』を鍛える―現実に立脚しつつ、理想を追求するために」
236頁

この数年ほど、性急な改革論、特に米国のごく一部の大学を見習えという風潮に苦しんでいます。ともあれ、1巻から6巻まで再読してみます。大学と社会の連携、それと同時に、連携という当たり障りのない言葉でまとめてしまわないで、大学と社会の適度な緊張関係の必要性を読み解きたいところです。