文部科学省平成24年度大学間連携共同教育推進事業「〈考え、表現し、発信する力〉を培うライティング/キャリア支援」(津田塾大学関西大学)の報告書を頂いた。ご縁があってこの事業の外部評価委員を務めているところである。
連携取組の目的として、次の二つが挙げられている。第一に、「主体的学びの確立による大学教育の質的転換」である。ライティングセンターが講義と連携することによって学生の主体性を育むのである。第二に、「主体的に考えると同時にコミュニケーションを形成・深化しうる人材の育成」である。取組みを通じてキャリア形成を促すのである(報告書11頁)。
最も興味深いのは「eポートフォリオ調査報告」のうち学生調査である。

この調査では、学生を対象にライティング(レポート・卒業論文作成)の過程における行動を再現してもらい、それを調査員による参与観察と逐次行われるインタビューにより、学生自身の行動の側面や背後にある考えや思い、不満・要望を抽出した。
報告書88頁

学生のレポート執筆の「工程」が言わば生々しく再現されている。私から見るとここで躓くのか(おそらく、学生本人は躓きだとは認識していない)ということがあったり、学生からするとここで躓いた(しかし、私には躓きには見えない)ということがあったりして、とても勉強になった(参与観察の方法も含めて)。
事業は平成28年度まで続く。今後も期待したい。

オフィシャルサイト
http://www.kansai-u.ac.jp/renkeigp/index.html

関西大学ライティング・ラボ
http://www.kansai-u.ac.jp/ctl/labo/index.html

津田塾大学ライティングセンター 
http://twc.tsuda.ac.jp/index.html