予定どおり7月から給与を8%ほど減額されている。私立大学勤務の方から心配のお声を頂戴しているところであった。
本学では平成26年3月31日までの間、一般職、技能・労務職、教育職、医療職すべて、本給は職務の級に応じて4.77%、7.77%、9.77%、地域手当はそのうえに10%の減給となっている(国立大学法人一橋大学職員給与規程の一部改正について)。この減額の手法、減額割合の根拠をなんとなく不審に思っていたのだが、後者については「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」をそのまま真似したということにようやく気付いた。本学だけで年間5億円ほどの減額分が「復興財源」として充当される道筋はまったく詳らかではないものの、ぜひ有効に役立ててほしい。なお、国立大学法人の一般職、技能・技術職の平均年間給与の対国家公務員ラスパイレス指数は86.7であるそうだ(2011年)。この指数を鑑みた制度設計があってもよかったのではないだろうか*1
ただし、なおよくわからないのは減額の手法である。コンサルティングを生業としていた頃を思い出してみると、一般的には、役員報酬カット、賞与カット、従業員給与のうち各種手当カット、本給カット…、こうした順序があるように思う*2。さらには、余計な福利厚生もその削減による効果はたとえ低いものであったとしても優先順位の高いカットの対象である。あるべきカットを飛ばして、いきなり本給カットというのどうなのだろう。国家公務員の場合、いちおう特別職に関しては10%、20%、30%のカットを定めているのだけれども、その点については真似をしなかったようである。カット自体はやむをえないことであるけれども、その手法や手続きに問題はなかったのか疑問が残るのである。

*1:さらに、本学学生の保護者の年収の平均よりも同世代の一般職、技能・技術職のそれは、はるかに低いだろう。

*2:東京電力の役員報酬カットはひとつの参考である。http://www.tepco.co.jp/gourika/jinkenhi-j.html また、シャープも賞与カットの割合が大きいようだ。仮に削減の総額が変わらないのだとしても、どこを削減するかによって納得の度合いが異なるだろう。