- 作者: 熊田一雄
- 出版社/メーカー: 風媒社
- 発売日: 2005/09
- メディア: 単行本
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興味深く思ったことが二つある。一つは、その「はじめに」で描かれた中高一貫の「受験名門男子校」における「男らしさ」獲得、自己証明の競争についてである。そうした学校の出身者がネット上で「ホモ」(この言葉は注意深く使う必要があるだろうが、ここではネット上の原文ママとする)を執拗にからかうことについて、私はその理由がなかなか理解できないでいた。典型的なホモフォビアなのか、覇権的男性性からの排除の恐怖なのか、「男らしさ」規範に関する高校と大学のずれの調整なのか、どんな理由にせよ男子校の学校文化に関係がありそうだ。もう一つは、内観系宗教についてである。企業内教育、訓練の一つに利用されることがあって、場合によっては心理的なダメージが大きいことから、私は内観を否定的に捉えていた―内観を勧めるあのビジネスホテルは、安くて快適なのであるが…。しかし、紹介される事例はこれまでの男性運動の欠点を克服しているようであって、やや内観に対する評価を修正することになった。GLA系教団の教義をもう少し勉強してみよう。ほんとうに、「男らしさから自分らしさへ」というときの「自分らしさ」の空虚さの代わりになるものが存在しているのか、存在しているのだとして「男らしさ」よりも「マシ」なものなのだろうか。
- 作者: 中村美亜
- 出版社/メーカー: インパクト出版会
- 発売日: 2008/10
- メディア: 単行本
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