日銀の政策形成 ―「議事録」等にみる、政策判断の動機と整合性

日銀の政策形成 ―「議事録」等にみる、政策判断の動機と整合性

かつてある議事録の分析を試みたことがある。しかし、どうも徒手空拳の作業結果を示しただけにすぎなかったことから、お蔵入りにしてしまっている。手当たり次第、方法を模索しているのだけれども、なかなか決定的だと思えるものに出会うことができない。
「金融政策決定会合」構成員9名のそれぞれの発言に注目した政策形成過程の分析はとても参考になる。ほんとうは、これくらい微に入り細に入り検討しなければならない。大学設置基準改正(第四十二条の二)によるキャリア教育の義務化について、その審議過程で誰が何を言ったのか、その発言を制約したものは何か(「制度」的なもの)、まとめておかなければならないのだが、そこまでの余裕がない。どちらかといえば、すでに進行している状況の追認にすぎない改正であったけれども、それでも法令で定められたことの意味は大きいのである。大学において、英語能力や統計スキルを身に付けなさいとは定めない一方で、「社会的及び職業的自立を図るために必要な能力」を培うための体制をつくることを定めているのだから。