出張を終えて帰宅。まとまった時間を取ることができず、年度末になってしまった。
印象深いできごとは2点あった。1つは、ある大学図書館のコピー機の利用料金の支払い方法がEdyに限定されていたことである。いつものように用意していた3,000円分の硬貨、数枚の千円札紙幣は不要であった。偶然Edyにチャージを済ませていたので、慌てずにコピーを済ませることができた。ただ、何らかの文献に関心を持っているということが図書館の司書さん以外の関係者にわかってしまうようで、やや釈然としない。この大学については、私がこれまで考えていたこととまったく反対の史実を有していたことがわかったので、ぜひ論文で言及したい。もう1つは、東急コンツェルンと国立大学のつながりについてである。西武の「ピストル堤」と一橋大学の関係は有名であるが、それ以外にも似たような関係を持つ大学があった。「強盗慶太」が自治体に現金を寄付、自治体が東急系企業に大学用地の造成を発注、国立大学を設立という経緯が事実であったことを確かめた。これは論文にはしないけれども、とても面白い歴史である。よく言及される私鉄資本と観光地開発や住宅供給の結び付きに、大学を加えることができるのだろう。すでに東急はその地域から撤退しているのだが、国立大学が存在することの意義は大きいようである。
出張中に読んだ本は次のとおり。これまでの反省から、かばんが重くなるのを避けてみた。

POSSE vol.14 間違いだらけ?職場うつ対策の罠

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X社元社員座談会:これは感受性訓練そのものだと思って読んでいたら、案の定「感受性」という言葉が出てきた。感受性訓練の根は深い。
自由はどこまで可能か=リバタリアニズム入門 (講談社現代新書)

自由はどこまで可能か=リバタリアニズム入門 (講談社現代新書)

リバタリアンが他の思想を語る難しさを感じる。なぜなら、リバタリアンなのだから。それは冗談である。仮に反論してみようとすると、私はサンデル先生に頼ってしまう。
ソーシャル・キャピタル入門 - 孤立から絆へ (中公新書)

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企業間取引を社会関係資本で説明する試みは成功しているだろうか。「前兆行動」に対するまなざし、社会的排除の希求は、現代の大学内部にも存在する。
大震災後の社会学 (講談社現代新書)

大震災後の社会学 (講談社現代新書)

原論文:開沼博への批判は妥当か。
効率と公平を問う

効率と公平を問う

面白い。ぜひ講義で紹介したい。以上、疲労がピークに達しているようでこれくらいしかコメントできない…。