大学において就職をあっせんするセンター(キャリアセンターのような名前のところ)が、労働契約期間を5年とする求人を推奨することがあります。しかし、この求人は違法です。期間を定める労働契約の上限は3年です。



厚生労働省による説明(リンク先PDF)
http://www.mhlw.go.jp/topics/2003/11/dl/tp1111-1b.pdf


もちろん、みなさんのなかには「期間の定めのない労働契約」を締結することもあるでしょう。これは、これまで「終身雇用」という概念で理解されてきた労働契約であって、定年退職の日まで労働契約を継続するというものです。また、博士の学位を持っていたり、公認会計士や弁護士などの高度な知識を必要とする資格を持っていたりする場合には、あくまでも例外として、労働契約期間の上限が5年となります。大学が対応しなければならない問題として、この違法求人に言及してきたのですがあまり改善されていないようです。就職をあっせんするセンターが学生の利益ではなく、就職率を上げたい大学の利益や、センターと連携する外部の機関の利益―たとえば、就職情報会社、同窓会、一般企業など―を優先することがあるという事情が、こうした違法求人を野放しのままにさせているのでしょう。
違法求人を出す企業に就職しても大丈夫でしょうか。その他の事業でも違法なことをしていないでしょうか。私はこのテーマの素人ではありますが、看過できるわけがないので問題提起を継続します。みなさんもまた就職をあっせんするセンターの情報を鵜呑みにしないで、もし心配があれば、労働法や雇用問題を専門としている先生に相談したり、ハローワークなどの公的な機関に聞いてみたりして下さい。


専門家の方へ:このエントリのなかで労働法規に関する理解に誤りがあるようでしたら、ぜひご一報下さい。たとえば、企業と学生の両方が同意のもとに無理やり5年の労働契約を締結したとしても、法的には3年分しか認められないはずですよね。私はこの辺りの理解が不確かです。