- 作者: 橘木俊詔
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2012/02/23
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 3回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
高等教育論として引き取ると、第1に、「戦後のビジネス教育は有益だったか」(209-12頁)という問いにはもう少し慎重であってもよい。そもそも実際にはビジネス教育をしてこなかったと言うのならば、この問いの設定自体がおかしいことになる。第2に、学会などで江藤智佐子先生と話題にするビジネスの意味についてである。
江藤智佐子、2010、「ビジネス実務担当者に関する研究:日本ビジネス実務学会の組織編成と知識形成をめぐって」『ビジネス実務論集』28。
かつての「秘書教育」が「ビジネス教育」や「ビジネス実務教育」と名前を変えている。副題にある「ビジネス教育の源流」が「三商大」のみにあるとは言えない。もっと豊穣な源流が存在する可能性を捨ててはいけない。第3に、日本のビジネス・スクールの教員は理工系分野や学際的分野の博士号取得者が少なくない点についてである*1。ビジネス・スクールにおいて生まれる知識、伝達される知識に関して詳しく調べてみる必要があるのだろう。
*1:科研の報告書で言及しました。