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空港到着後、虹港路の路線バスの乗り場へ向かう。なぜか黒車の声掛けがなかったので拍子抜けしたものの(厳打の状況にあるのだろうか)、軽油と煙草の強い匂い、土ほこりの感触、なぜだか感じる砂糖の甘い香りから、中国の北部へ再び来たことを実感する。子どもの頃の東京や大阪―街の中心部、あるいは、臨海部の工場地帯―で得た五感を思い出すのである。
「机場」乗り場ではなく、実はより到着口に近い「連菅汽修廠」乗り場を目指す。この付近は人通りが少なく、虹港路を横断するのに苦労する。10分ほど自動車が途切れるのを待ち続けた挙句、その場で掃除をしていた高齢の方に横断を手伝ってもらう。現在、大連はスローガンとして「創文明都市」を掲げているのだが、こうした一般の方の私心のない行動からすると、私としてはもはや十分に「文明都市」を達成しているように思う。とてもありがたいと思っている。
送迎バスで移動する学会の先輩方がこの出来事を目撃していたらしく、その後、私は中国語が堪能であるとか、中国に造詣が深いとかいう大きな誤解を招くことになる。今後のために申し上げるべきことは、私はまったくそんなことはなく、学生時代からのバックパッカーとしての経験から、ただ単にその種のコミュニケーションが苦手ではないというだけのことである。
無事、路線バス701路に乗車して―1元―終点の中山広場へ移動する。701路は往路ともに途中の乗降客の入れ替わりが激しく、机場と中心部を通して乗る客は少ない。しかし、その移動にはとても便利であるし、また、机場のある丘陵部から海沿いの中心部へひたすらに駆け下りるのは爽快でもある。ただ、終点のバス停は中山広場というよりは友好広場に近いので、方向感覚を失うと面倒である。今回、まさに方向感覚を失ってしまって、中山広場に辿りつくのに少し時間がかかってしまった。
晩御飯はホテル近くの食堂で、饂飩のようなもの―お店の方は「刀削麺」と言っていたような気がするが、定かではない―にロシアのペリメニに似たものが乗っているものを頂く。8元。