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政治と複数性―民主的な公共性にむけて

政治と複数性―民主的な公共性にむけて

連休前半は思想の勉強を行う。「大学改革」の文脈の様々な場面で出てくる「大学(教育)の『社会』に対する説明責任」というスローガンの貧しさ、そして、そこで用いられている「社会」なる言葉の空虚さを、どうにかして克服したいのである。その手掛かりを探しているのだけれども、足踏みの状態が続いていてなかなか辿りつくことができない。デモクラシーや社会統合の議論はヒントの一つになるだろうか。
福祉国家への態度形成

福祉国家への態度形成

苦手としている思想に取り掛かっているところに、読みたかったものが届く。著者の関心からすると、福祉国家政策というよりは再分配政策といった方が適切であるようにも見えるのだが、そんなことはさておき、教育社会学の研究としてはもちろんのこと、政治学における政治意識研究として極めて実りが多い。誰がどの政策を支持する/しないのかという研究は多くあるものの、その誰についての詳細な分析は教育社会学だからこそ成し得たものである。細かい点で興味深かったのは、高校の文化祭や体育祭の積極的参加が社会貢献意識にプラスの影響を与えるという点である。なんとなく経験的に感じていたことではあったのだが、やはりそうだったかと納得した。また、結論で示される「モビリテ・オブリージュ」も私の学生時代の友人を見て、また、現代の学生を見て経験的に感じていたことであって、とても合点がいくのである。ただし、こうした知見から政策提言がすぐに可能であるのかというと、それはまだ早すぎるようにも思われる。期待する福祉国家がどのようなものなのかについてもう少し説明が欲しいという、ないものねだりをしてしまうのである。