- 作者: 小熊英二
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 2009/07
- メディア: 単行本
- クリック: 123回
- この商品を含むブログ (65件) を見る
連赤事件について語る多くの論者を「見たいものを見た」としている。では、各セクトの争いは他セクトとの差異化を図るアイデンティティ・ゲームであるとか、全共闘運動を<自分探し>運動であるとか、そうした現代の人びとにとっては馴染み深い、あるいは、当たり前のものとなりすぎていてわざわざ言及するのも引け目を感じるような、80年代以降の解釈枠組みによる理解もまた、同じように「見たいものを見た」ことにならないだろうか。社会学の研究であるかどうかはともかく、研究者の立ち位置の困難が存在する。