キャリア教育の報告書の校正を続けている。こうした地味な作業をしていると、「仕事を楽しむ」、「仕事による成長」、「仕事を通じた自己実現」…、これらは単なるイデオロギーにすぎないことを確信するようになる。たとえば、学部を卒業したばかりの新入社員が創造的な仕事を任される機会など多いわけもなく、そんなイデオロギーに感化されていると思うと哀れにも見えてしまう。仕事は楽しくなくても、仕事によって成長しなくても、仕事が自己実現に結びつかなくても、何ら問題はない。
インターンシップや卒業生による講演などに関する学生の報告を読んでいると、バウマンの議論を思い出す。
- 作者: ジグムントバウマン,Zygmunt Bauman,伊藤茂
- 出版社/メーカー: 日本経済評論社
- 発売日: 2007/07
- メディア: 単行本
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ところで、今朝の朝日の「ののちゃん」は、やっと作者らしい「毒」が戻ってきたものだった。
あいまいなものを抱えておく知恵も根性もない連中がとびつくコトバですね(藤原センセ)
そのコトバは、バウマンが言う「原理主義者の約束」に通じる極めてシンプルで魅力的な指針である。しかし、そんな指針に抗う知恵や根性こそが、とても大事なのだ。