カウンセリングと精神療法―心理治療 (臨床心理学)

カウンセリングと精神療法―心理治療 (臨床心理学)

夏休みに引き続いて、心理学分野の地図を描く作業を行う。
「精神療法の基本要素」を読み進めると、パーソンズの病人役割論が思い出される。「依頼者となる、治療構造を守る、内界を包み隠しなく言葉にする、自分の言動の意味を理解する、依頼者でなくなるよう努める」という精神医学者が挙げる患者の役割は、まさにパーソンズの議論を髣髴させるものである。
また、この分野においても重視されているインフォームド・コンセントや自己決定権が、やはり医師や臨床心理士の「専門性」を脅かしているように思える。「専門家にすべて一任します」という状況にはない現代の、「専門家」の困難を感じるのである。