- 作者: 氏原寛,成田善弘
- 出版社/メーカー: 培風館
- 発売日: 1999/07
- メディア: 単行本
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「精神療法の基本要素」を読み進めると、パーソンズの病人役割論が思い出される。「依頼者となる、治療構造を守る、内界を包み隠しなく言葉にする、自分の言動の意味を理解する、依頼者でなくなるよう努める」という精神医学者が挙げる患者の役割は、まさにパーソンズの議論を髣髴させるものである。
また、この分野においても重視されているインフォームド・コンセントや自己決定権が、やはり医師や臨床心理士の「専門性」を脅かしているように思える。「専門家にすべて一任します」という状況にはない現代の、「専門家」の困難を感じるのである。