人事アセスメントハンドブック

人事アセスメントハンドブック

ある時期の東京大学教育学部教育心理学が、採用選考や配置異動に関する人事テストに果たした役割は大きい。もちろん、現代の学生が感じるSPI2等の受験準備に対するストレスは相当なものであるから、そうした教育心理学の「貢献」を、高く評価するというわけではまったくない。
米国では人種、性別、宗教、年齢、障がい等を理由とした雇用差別を回避するという文脈のもとに「科学的な」テストが利用されてきた経緯がある。しかし、日本ではそのような文脈は等閑視されている。「人事テスト事業者自主規準」にしても、テスト業者の憲章にすぎないのであって、テストを利用する企業を何ら拘束するものではない。