- 作者: 中西新太郎
- 出版社/メーカー: 大月書店
- 発売日: 2008/09
- メディア: 単行本
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中西―「社会哲学者」だったのか―が(また、中西ではなくても大学教員が)、象徴統制の担い手であることがよく分かる。語りえなかったことを語り出したことで今や有名となった雨宮や湯浅の言葉は、言説的資源を統制する中西固有の枠組みによって解釈され、それに対する反論(あるいは論にならない違和感)の資源を見出すことができなくなってしまう。そのうえ、雨宮は生徒役割を演じてしまっている―読み手を意識したうえでの行動であれば良いのだが。中西が語らないことを掘り出すことができれば対論は成功なのだろう。そうした意図を一部に含みこむ中島の問いかけに対しても、ずれた(ずらした)回答が返ってきてしまい、なかなか良い対論にならない。