以前から関心のあった山形大学のFDに参加した。山形大学の教職員に加えて、FDネットワーク「つばさ」参加校の教職員の参加も多く、こうした大学間連携、拠点作りの意義を改めて考える契機となった。持ち帰らなければならない宿題を取り急ぎ2点に整理しておく。
第1に、タキソノミーについて、Bloomや梶田以降の展開を勉強しなければならないと思った。確かに、カリキュラムを「学士力」の各項目で分類されてしまうよりは、まだ「認知、情意、精神運動」×「達成、向上、体験」のマトリクスによる分類の方が説得的であるようにも思える。しかしながら、そこで各観点について「評価の思想を内包させる」といった場合に、やはり挙手の回数を数えるといった初等中等教育の混乱を想起せざるを得ない。高等教育における成績評価の「厳格化」に対して、希望と混乱の双方を同時にもたらすことにならないだろうか。
第2に、現代日本における大学の「学校化」をどのように理解すればよいか、まだ理論的な枠組みが曖昧であると感じたことである。「学校化」がもたらすメリット、デメリットはそれぞれにあって、もちろん良い、悪いという価値判断を一概に行うことなどできないし、するつもりもない。しかし、紹介された「大学の学校化に対する対抗軸」が、例えば、子どもを見る目を養うことでしかないのであれば、それは、とりもなおさず「学校」で行われてきたことであって、「学校化」を克服したことにはならないように思われる。こうした混乱は、(「学校化」というメタファーが何を意味するのか曖昧である、ということもあるが、)大学の「学校化」に関する議論がまだ成熟していないことが理由にあるのかもしれない。
このFDは得るものが非常に多かった(自分の実践に直接的に役立つこともあった)。関係者の皆さまに感謝する。