政策過程

ある研究会のお手伝いのために、日本のMBAのカリキュラムについて考えている。ただカリキュラムを横に並べてもつまらないので、言わば「隠れたカリキュラム」に言及したく準備を進めているところである。私はかつて、あるMBAの担当教員に許可を頂いて授業に…

「文科省政策創造エンジン―熟議カケアイ」によると、「中央教育審議会等における専門家による検討に合わせて、車の両輪として、当事者による『熟議』に基づいた意見を踏まえ、政務三役にて政策決定を行う」ということになっている。 「国立大学法人化後の現…

週末、ある研究会に出席した。近年の大学教育改革を新自由主義の文脈で読み解くというテーマであった。 もう少し理解を深めたかった点がいくつかある。第一に、確かに大学の行財政や管理運営に関する改革は、新自由主義と称される「主義」に基いて行われたか…

教養ゼミ(夏・金4)履修の皆さん、半年間お疲れさまでした。打ち上げのランチ―タイ料理―はお気に召しましたでしょうか。当日話題になった「朝まで生テレビ」、夏の大阪、体育会等の件、機会があればまた教えて下さい。 イノベーションと政治学―情報通信革命…

科研費の審査結果開示があった。大学当局に対する外部資金獲得失敗の言い訳、また、今後の自分のための備忘録として、恥ずかしいけれども結果をさらしておく。 「研究計画・方法の妥当性」については、これから再検討してみる。4人の審査員の合計点が10点(3…

マニフェスト列挙最終日―みんなの党、たちあがれ日本、新党改革、日本創新党、幸福実現党、女性党。大学に関しては(特に小中高と比較して)、際立った主張は表れ難いようだ。 みんなの党 アジェンダ2010 ・医療(高度医療・高級健康診断)、大学、観光など…

引き続き、国民新党、共産党、社民党。昨日並べた民主党、自民党、公明党も含めて、どの政党も学費に関心があるようだ。ただし、高い学費に関する解決策は、多様であるだろう―給与/貸与奨学金、民間ローン、授業料免除/補助、学費無償化、所得税・住民税の…

参院選に向けて、大学に関するマニフェストを並べてみる。まずは、民主党、自民党、公明党から。自民党の東大入試改革案や「高等教育庁」構想、自民党と公明党のギャップ・イヤー導入案など、報道では取り上げられていない内容も少なくはなさそうである。 民…

行政改革と調整のシステム (行政学叢書)作者: 牧原出出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2009/09メディア: 単行本 クリック: 15回この商品を含むブログ (41件) を見る理論と政策を媒介するドクトリンの概念はとても面白い。理論そのものが政策になるわ…

政治社会学作者: 加藤秀治郎,岩渕美克出版社/メーカー: 一藝社発売日: 2005/10メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見るバクラック=バラッツの訳文が掲載されている。日本の教育政策研究にとってCPS以降の議論に何か学ぶものは…

中教審大学分科会の質保証システム部会が「大学における社会的・職業的自立に関する指導等(キャリアガイダンス)の実施について」を発表している。それによると、 社会的・職業的自立に関する指導等に係る規定を大学設置基準に位置づける らしい。これは、…

福祉政治―日本の生活保障とデモクラシー (有斐閣Insight)作者: 宮本太郎出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2008/09/08メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 62回この商品を含むブログ (37件) を見る福祉・雇用レジームを論じる際、どうして教育を対象としてこ…

文部科学省から「事業仕分け結果・国民から寄せられた意見と平成22年度予算(案)における対応状況」が発表されている。「国民から寄せられた意見」は文部科学省のねらいどおりなのだろうか。本当かどうかは確認できないものの、事業仕分けへの賛成意見は少…

専門職養成の日本的構造 (高等教育シリーズ)作者: 橋本鉱市出版社/メーカー: 玉川大学出版部発売日: 2009/09メディア: 単行本 クリック: 25回この商品を含むブログ (3件) を見る今日の教授会は久々の長丁場で、集中力が途切れてしまった。合間を見て、この本…

行政刷新会議の「民間有識者」の「有識」について、関心を持って眺めている。 「甘い(需要予測)結果を国民の税負担でやらせるのは不合理だ。極端に言えば背任行為だ。」 (情報セキュリティ大学院大学教授) あまり、情報セキュリティの「有識」が活かされ…

11月13日 科研費、特別研究員等について <コメントの一部> ●博士養成に関する過去の政策の失敗を繕うための政策。博士養成に関する見直しが必要。テニュア・トラック制については存続。 ●過去の政策のつけであるから少しずつ減らしていくしかない。毎年5…

教育基本法改正論争史―改正で教育はどうなる作者: 市川昭午出版社/メーカー: 教育開発研究所発売日: 2009/04メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (4件) を見るなぜ教育基本法改正(論者によっては改悪)が2006年だったのか、様々な…

文部科学省のウェブサイトに、「平成21年度『大学教育・学生支援推進事業【テーマA】大学教育推進プログラム』」の申請状況が掲載されている。442の大学、短大、高専から650件の申請があったそうだ。8月下旬には、そのうち約80件が選定されることになってい…

中教審「学士課程教育の構築に向けて」答申案が公開されている。「21世紀型市民」の内容に関する参考指針である「学士力」、および、それに基づく学位授与の方針の策定に当たってのPDCAサイクルの稼動、やはり、これらは手放さないようである。「若年者就職…

Policy Transfer and British Social Policy: Learning from the Usa? (Public Policy and Management)作者: David P. Dolowitz出版社/メーカー: Open Univ Pr発売日: 1999/12メディア: ハードカバー クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見るThe 'ac…

現代アメリカのテレコミュニケーション政策過程作者: 清原聖子出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会発売日: 2008/06/12メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る政策ネットワーク論とアジェンダ設定論を組み合わせて政策過程を描い…